週末に台風が多いのは本当か?|ちょっと分析してみた

雑記

現在、猛烈な勢いに発達した台風14号(ナンマドル)が九州地方に接近している。

中心の気圧が925hPa、最大瞬間風速が70m/sなので、近年でも最大級だ(2022年9月18日現在)。

被害を最小限にとどめるためにも、事前の準備は必須である。とりあえず、3日分の食料や飲料の買い出しに行って来た。あと自転車を直したり、雨戸を閉めたり…etc。

それにしても、いつも不思議に思うことだが…


どうして台風は週末にやって来るのだろう?

 

子供のころから毎年この時期になると、不思議に思っていた。

ネットで調べると、「バナーム効果」のせいではないか、との声もあるが、果たしてそうなのだろうか?

バナーム効果とは? 誰にでも該当するような曖昧で一般的な性格をあらわす記述を、自分、もしくは自分が属する特定の特徴をもつ集団だけに当てはまる性格だと捉えてしまう心理学の現象(Wikipediaより)。

 

…と言うことで、今回は、「本当に台風は週末にやって来るのか」について、気象庁データ等をもとに分析してみた。

データの出所は?

色々調べた結果、気象庁などが公表した各種資料を用いた日本国内での台風の上陸・通過に関するデータベースが過去データを網羅する形で非常に良くまとめられていた。

各種資料とは、気象年鑑、気象庁ベストトラック、地方気象台資料、台風経路図30年集、気象庁速報、IBTrACS等を言う。1951年以降の台風を収録しており、データベースの更新は翌年となる。
…ということで、ココでは、この台風の上陸・通過に関するデータベースを用いて分析してみる(生データはこちら→「台風上陸・通過データベース(完全版)」)。

全国データで見ると?

本題に入る前に、まず、「週末」の定義から。

広辞苑では「一週間の末。土曜日、また土曜日から日曜日へかけてをいう。近年は金曜日を含めることもある」。英英辞典では「土曜日及び日曜日」、「週のうち働かない二日間」、「金曜日の夜から日曜日」などとされており、これを踏まえれば、狭義では「土曜日」、広義では「金曜日から土曜日」、「土曜日から日曜日」、「金曜日から日曜日」や「金曜日の夜から日曜日」などもある。
一方、東京都知事のメッセージは、週の始めを月曜日と認識している人にとっては「週末」を「土曜日から日曜日」などとイメージしていると考えられている。一方で、週の始めを日曜日と認識している人にとっては「週末」を「土曜日」あるいは「金曜日から土曜日」などとイメージしていると考えられる(総理府統計局資料より)。

 


あ~こんがらがって来た。

もういい。上記をベースに、ボクの独断で以下を採用する(文句は受け付けません)。
「週末は土曜日から日曜日へかけてをいう

過去30年のデータをベースにした場合

この場合、サンプル数は417個である(日本への通過、上陸、再上陸数の合計)。
これを見ると、確かに他に比べて土曜日の割合が若干多いのは事実だが、さほどの差はない。しかも、日曜日は全然目立たない。
つまり、「週末に多い」とは言えない
いやいや、「最近の傾向は違うだろう」という意見があるかも知れないので、直近の10年間に絞って見てみよう。

直近10年のデータをベースにした場合

この場合のサンプル数は75個である。
この場合は、かなり明確な差があって、日~火(53個)が水~金(16個)より3.3倍も多い
何故かはわからないが、この10年に限って言えば、台風の来る曜日に偏りがあるのは間違いなさそうだ。
しかし、過去10年のみのデータに絞っても、「週末に多い」とは言えず、…どちらかと言えば、
日~火曜日に偏る
…傾向がある、というところだろう。
それでは、台風の通り道とされる九州ではどうか?宮崎在住のボクとしては、こっちの方が気になる。

九州に絞って見ると?

過去30年のデータをベースにした場合

この場合のサンプル数は122個である(九州への通過、上陸、再上陸数の合計)。前述した全国レベルの1/3くらいなので、多いと言えば多いが、ボクとしてはもっと多いかと思った(以外に少ない印象)。

この場合、火曜日と日曜が少し多いが、全国データ同様に、一定の傾向を示すデータ、とはいいがたい。

 

直近10年のデータをベースにした場合

この場合のサンプル数は25個である。

あれ?日曜日が極端に多いぞ。サンプル数は少ないが、44%は結構無視できない数字だ。

土曜は少ないものの、結果として週末の2日間だけで全体の52%にもなり、月~金の合計(48%)を超える。

 

つまり、

九州地方に限って言えば、過去10年間のデータを見る限り、週末に台風が多いのは本当である。
…と言えそうだ。

 

おわりに

今回は、「本当に台風は週末にやって来るのか」をテーマに分析してみた(単なる興味本位)。

当初は「バナーム効果」のせい?…と思っていたが、一概にそうとも言えない結果となり、少し驚いている。

特に、近年における九州地方の傾向(44%が日曜日に集中)は興味深い。勿論、データ数が少ないので結論づけることは出来ないし、理論的な根拠があるかどうかも不明だ(上記の結論は現時点までの事実を言っている)。

要は、あまり難しく考えないで頂ければ、と思う。

 

…ということで、この記事が、台風で家に閉じこもらざるを得ない皆さんのネタ(暇つぶしの材料)にでもなればうれしい。

 

 

おわり

 

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました