配偶者が65歳になる方へ|「振替加算」の支給もれに注意!!|

雑記

2021年2月8日(月)の朝日新聞デジタルで、「年金加入者にとってはかなりのショッキングなニュース」があった。

その内容は以下の様なものである。

 厚生労働省は2017年、事務処理のミスなどで、年金額に上乗せされる「振替加算」が、約10万人に対し総額約598億円の未払いだったと公表。
 一方、これとは別に約4万5千人については、未払い対象ではないとも公表。年金加入者との「生計維持関係」が「ない」と申告があったというのが理由。
 だが、このうち7人が「振替加算」の全額払いなどを求めて東京地裁に提訴。「国が勝手に生計維持関係がないと判断した」と訴えた。
 国側は請求棄却を求めたが、突如、原告の主張を受け入れる形で、判決が出る前に7人に対して時効分全額を支払った(1人あたり約85万円~約264万円)。
 厚生労働省は取材に、対象者数は「不明」とし、あらためて調査する予定もないと回答した。一方で、「当人から年金事務所に相談があれば対応を検討する」ともした。

※朝日新聞デジタルより抜粋

 

え?……じゃあ、残りの約4万5千人弱の人たちはどうなるの?

上の表現をくだいて言うと、厚生労働省は…..

年金の事務処理で国側に不手際があったとしても、当人が申し出ない限り支給はしませんよ!!

……と回答しているのだ。

 

いやいや、それはないでしょ!!!

…..と言っても、仕方がない。こういう制度(態度?)なのだ。

我々自らが年金リテラシーを高め、常にこの種の情報にアンテナを立てておくしか防衛手段はない、と言うことだろう。

 

…..と言うことで、ここでは、問題の「振替加算」について調べてみた。

この記事は、現在「加給年金」をもらっている人で、近々配偶者が65歳になる方にはお役に立てるかも知れない。

「振替加算」ってなに?

日本年金機構ホームページを見ると、以下の様に書いてあった(要約してます)。

夫(妻)が受けている年金に加算されている「加給年金」の対象者になっている妻(夫)が 65 歳になると、それまで夫(妻)に支給されていた加給年金額が打ち切られる。

そして、このとき妻(夫)が老齢基礎年金を受けられる場合には、妻(夫)自身の老齢基礎年金に一定額が加算がされる。

つまり、加給年金」が打ち切られた後、配偶者の年金に振り替えられる年金が「振替加算だ。

以下のイメージ図が分かりやすい(「保険マンモス」さんのHPより引用)。

※補足すると、以下の様な流れになる。

①まず、年上の配偶者が65歳になると「加給年金が支給される

②次に、年下の配偶者が65歳になると、 年上の配偶者に支給されていた「加給年金」が 年下の配偶者に「振替加算」として加算して支給される

※つまり、「加給年金」がなければ「振替加算」も生じない。

加給年金」は、加入期間が20年以上の老齢厚生年金の受給権者で、生計維持関係にある65歳未満の配偶者か18歳到達年度末までのお子さんがいる人に支給される。言ってみれば、公的年金における家族手当のようなイメージだ。

「振替加算」を受け取れるヒトは?

振替加算」の対象となるのは、満65歳到達時に配偶者が加給年金額の対象となっていて、次の条件を満たしている方だ。

  1. 大正15年4月2日から昭和41年4月1日までの間に生まれていること
  2. 老齢厚生年金や退職共済年金を受けている場合は、加入期間を併せて240月未満であること
  3. 厚生年金保険の35歳以降の加入期間が、次の表未満であること

●生年月日と 加入期間

  1. 昭和22年4月1日以前                             180月(15年)
  2. 昭和22年4月2日~昭和23年4月1日       192月(16年)
  3. 昭和23年4月2日~昭和24年4月1日       204月(17年)
  4. 昭和24年4月2日~昭和25年4月1日       216月(18年)
  5.  昭和25年4月2日~昭和26年4月1日       228月(19年)

どれぐらいもらえる?

以下の表のように、年齢が若くなるごとに減額され、昭和41年4月2日生まれ以後の方はゼロとなる。

※日本年金機構のHPより

どうすればもらえる?

以下の2パターンがある。

自動的にもらえる場合

年上の配偶者が、「年金請求書」を書く際に年下の配偶者の基礎年金番号(被扶養配偶者が年金をもらっている場合は年金コードも)、氏名、生年月日を記入しておけば、年下の配偶者が65歳になったとき、「加給年金」が自動的に被扶養配偶者の「振替加算」に代わる。

届け出が必要な場合

ただし、次のような場合は、新たに被扶養配偶者に「振替加算」がつくので届出が必要。

年下の配偶者が65歳になった後に、年上の配偶者が厚生年金保険の加入期間が240月を満たした老齢年金を受けられるようになった場合等。

国民年金 老齢基礎年金額加算開始事由該当届

おわりに

今回、「振替加算」について解説してみたが、併せて言いたかったことは、我々自らが年金リテラシーを高め、常に年金に関する情報にアンテナを立てておくことの重要性だ。

だって、厚生労働省は…..

年金の事務処理で国側に不手際があったとしても、当人が申し出ない限り何にもしませんよ~

……と公言しているのだから。

 

年金情報の収集は勉強にもなるし、緊張感もあってボケ防止になるかも?(※自分自身に対して言ってます)

 

 

おわり

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