「木」は、ボクらのご先祖様だった。

雑記

今日は、ちょっと変わった話をしてみる。

前にも触れた様に、ボクは、あの世とか輪廻転生とか、不思議系の話が大好きである。

その一方で、木の研究者だったりする(植える方じゃなくて使う方)。

 

 

 


「科学者(もどき)が非科学的な話するの?…..で、幽霊とか見たんかい‼️」

と家の中から誰かの声が…..。

 


こっちのほうが、怖い(…お約束)。

とりあえず、目を合わせない様にして….


今日は、この二つ(木と輪廻転生)がリンクする様なお話をしたい。

ボクは、仕事柄、木材の利用をテーマに講演させていただくことがあるのだが、最近、導入部分で「木と輪廻転生」の話をするのが定番になってきた。多くは、私の研究の大先輩(秋田県立大名誉教授、林知行先生)の受け売りである(興味があれば、目からウロコの木のはなし(技報堂出版)を読んでみて欲しい)。

 

 

あらましは、以下の様なものである。

我々人間も、地球全体の炭素循環の一部である。

だって、

1人の人間の体内には膨大な炭素原子が存在している

のだから…..

(メモ)  人間は、酸素65%、炭素18%、水素10%、窒素3%、カルシウム1.5%、リン1%、少量元素0.9%、微量元素0.6%で構成されている。
宮村一夫『元素がわかる事典』 PHP研究所,2010,79p.より

 

最近CO2を悪者にする例が勢いを増しているが、だとすれば、

「そう言うあなたも悪者の一味なのよ」

…..と言うことになるのだ。

 


話を元に戻して、少し分かりやすく説明すると、体重50㎏の人の体内には750アボガドロ数個の炭素が存在する。

そして、

この炭素がCO2になって一気に放散されるのは、この人が亡くなって、火葬される時である。

 

もし、火葬時に放出されたCO2が地球上の空気中にくまなく拡散したとすると、驚くなかれ…..

1リットルの空気中に、この人の炭素が約8万8千個も存在する。

 

つまり、

今、まさに皆さんの周りに、既に亡くなられた「お父さん」や「お母さん」だった炭素の一部が何十、何百個も存在しているのである。

もっと言えば、

皆さんのご先祖様の体の一部であった炭素も至るところに存在しているのである。

一方で、

それらの一部は、木の構成要素になって、数十年、数百年以上にわたって存在し続けることになる。
 
木と二酸化炭素
 
(メモ)  木は、酸素44%、炭素50%、水素6%で構成されている。

 

そして

木に吸収された皆さんのご先祖様(炭素)は、その中に長期間とどまったあと、いずれは空気中に戻ってきて輪廻転生を繰り返すのだ。

ちなみに、

屋久杉は樹齢1000年以上なので、その中には、源義経とか平清盛だった炭素の一部が存在しているはずである。

……木のロマンを感じるなぁ….(と、自己陶酔)。

もちろん、

伐採された後も、燃やさない限り、ご先祖様だった炭素の一部は住宅部材や家具などに生まれ変わって皆さんの周りに存在する。

そして、

燃やされた後、一部は、再び人間として生まれ変わることになるのだ。
 
ということで、
木は、輪廻転生のプロセスに重要な役割を果たしている

……と言えそうだ。

 

 

いかがだろうか?

 

ひょっとして、木に対する見方や感じ方に変化が生じたのでは?


どうして、我々が巨樹に大きな生命力を感じるのか、国産材に親しみを感じるのか、なんとなくお分かりいただけたのではないだろうか?

 

…..「いやいや、やっぱ鉄骨系住宅がいいわ」

 

…..と言うあなたは「鉄腕アトム」の子孫に違いない (トシがバレるかな?隠してないけど)。

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