飫肥城下町散策(その2)|旧山本猪平家

散策

飫肥城下町散策シリーズ(その2)では、「旧山本猪平家(きゅうやまもといへいけ)」を紹介しよう(2020年12月11日に訪問)。

飫肥城下町散策(その1)|旧藩校振徳堂
飫肥には思い入れがある。 自分が生まれたのが飫肥城下町だからか、この付近を散策するのは本当に楽しい。そして、とても落ち着く。 歩いているだけで原風景に出会うような瞬間があり、デジャビュにハッとしたりもする。(オビスギ関連の研究をしているのも...

 

ここは、飫肥城下を散策しながら「たまたま」見つけたところであり、全く知らなかった。ボクにとって、この様な計画性のない「たまたま」が、散策の楽しみの一つでもある。

「こんなところに立派な屋敷があるぞ???」、と言った感じだ。

 

概要

この建物は、飫肥の豪商であった山本猪平が明治 40 年(1907)頃に建築した商家の本宅である。
敷地面積約 1,100 ㎡の中に、主屋、離れ屋、台所、浴室、便所等がほぼ建築当初のまま残されており、飫肥本町の商人本宅を現代に伝える遺構として貴重である。

屋敷の南半分は、もともと町役人であった小村寿太郎の父親である小村寛の屋敷地であった。小村寛が飫肥商社事件で没落したために、山本猪平が買収してこの建物を建てた様だ。平成11年8月11日、日南市指定文化財に指定されている。

小村寿太郎が飫肥に帰ってきた時のために建てられたという言い伝えが残されている(入口横の説明板より)。

 

訪問に必要な情報

場所 〒889-2535 宮崎県日南市飫肥5丁目2-26 (←Google マップが開きます)

問い合わせ先 0987-25-4533(飫肥城下町保存会)

時間 9:30~17:00※最終受付16:30

休業日 12月29・30・31日

入館(場)料 無料

アクセス 大手門から南へ、徒歩約5分

 

写真で紹介

では、早速写真でご紹介しよう。

建物の平面図と立面図だ。ものすごく広い!!

主屋と奥座敷、離れ、台所、浴室、便所とが二つの庭を囲むようにつながり、当時の町家の配置計画をよく表している。

ここから入る。屋敷地は大手門通りに面していて、高い塀と門を構えている。

入口横の説明板。以下の様な説明が書かれている。

この建物は昭和 52 年(1977)の伝統的建造物群保存地区の選定時に保存物件として指定していたが、平成9年(1997)に空き家となったため、市で公有化して修理した。修理に際しては建築当初に戻すことを原則としたが、一部耐震強度の確保のため、壁を新設している。

主屋と南側の庭。良く整備されている。右側の木々の裏に「小村寿太郎の産湯の井戸」がある。

主屋の入口の格子戸を抜け、数寄屋風の天井を持つ通り土間から玄関に至る。通り土間の両側には収納庫を設けている。また、屋敷地内の通路や床下土間に陶磁器のタイルを使用しており、当時の流行の一端を知ることができる。

玄関。ココから上がって行こう。主屋は座敷の 10 畳に次の間の 10 畳が並び、その奥が居住の場となっている。奥がはるか遠くに…..。

座敷の中央に立派なケヤキのテーブルが…..。

一番奥の部屋の南側には裏庭があり、船の形をした手水石らしきものや井戸がある。縁側に「小村寿太郎の産湯の井戸」との表示がおかれていた。

主屋の奥から奥座敷に向かう途中に離れがあり、台所、浴室、便所が二つの庭を囲むようにつながっている。

離れから奥座敷に向かう。奥座敷は、昭和2年(1927)に山本猪平が隠居したのに伴い、昭和4年(1929)に増築されたらしい。

奥座敷は、現在「飫肥古道具館(川越コレクション)」として使用されている。

色々な陶磁器が並べられていて、目を楽しませてくれた。孫を連れてきたらえらいことになりそう

 

 

…..いないけど。

 

おわりに

今回も、飫肥散策の穴場的なスポットを紹介した。

 

この「旧山本猪平家(きゅうやまもといへいけ)」も含めて、飫肥の建築物は建設当時のままの姿でメンテナンスの行き届いたものが多い。

古い木造建築に興味のある方なら、あちこちに興味深い建物が残されているので、飫肥城下町の散策が一層楽しいものとなるだろう。

 

 

次回は「商家資料館」をご案内しようかと思う。

 

 

 

おわり

 

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