前回の続きを話そう(以下は前回の記事)。

ボクが英会話スクールに通う様になったのは、ヨーロッパ研修に派遣される約2ヶ月前のことだった。(多分、派遣が決まった直後あたり)。
確か、次の様なやり取りが上司とあったのを覚えている。
上司「ドクターなんだから、英語はペラペラなんだよねぇ」
ボク「まぁ、少しは…..」
もちろん、ウソである(キッパリ)。
…..でも、さすがに嘘がバレるのは嫌だ。それに「ドクター持ってて英語が全然ダメ」と言うのも恥ずかしすぎる。
英会話教室は、追われる様に入ったのであって、
「英語を話せるようになりたい」
と言う積極的な目標があった訳では全くなかった(完全に不純な動機)。
名棋士、羽生善治さんの言葉を少し変えて言えば、
なのだ。これでは現実にはならない。
だが、ヨーロッパから帰ってきた時点で、夢は、目標にかわった。
その1番の原動力は、前回も少し触れた様に、「コミュニケーション欲」であった。
海外の友人たちと普通にコミュニケーションが取れるようになりたい。
これって、人間の本能なのかも知れない。だって、ヒトは一人では生きられないのだから。
……と言うことで、今回は、主に英会話スクールに通っていた当時を振り返りながら、上達のコツの様なもの触れてみたい。
なお、ここから先は自分の体験によるもなので、人によっては個人差があるかも知れない(この点、ご了承いただきたい)。
ボクの英会話スクール歴
ボクが最初に通った英会話スクールは「NOVA」。ヨーロッパ派遣研修の二ヶ月前(1997年9月)に入校し(当時40歳)、宮崎校が廃止になるまで、たぶん10年間くらい通った。このスクールで全くの初心者向けから上級までステップアップせてもらった。
「NOVA」が宮崎を撤退した後は、地元の英会話スクール「トラベルマン(現在は「英会話キア」に変わっている)に最近まで通わせてもらった。このスクールは、すごくアットホームで楽しかったのだが、「上級クラス」が廃止になってからは、足が遠のいてしまった。
今は、国際会議出張の前などに舌を慣らすためなど、必要に応じてオンライン英会話「レアジョブ」を利用させてもらっている。このスクールの講師はフィリピン人の学生が多い。全体に、発音には多少の訛りがあるものの、英語力は、ほぼ完ぺきである。何より、マンツーマンレッスンなのにレッスン料金が破格なのが魅力だ。
上達の秘訣は、コミュニケーションを「楽しむ」こと
基本、英会話スクールは、どこも、ネイティブスピーカーとの(日本語を一切使わない)会話形式だ。生徒同士でもレッスン中に日本語を使うのは禁止されていることが多い。
NOVAに入った当初は、本当にキツかった。
何しろ入校時のレベルチェックテストでは、9段階の1番下「7C」だったのだから、当然だ。
そもそも、先生たちは「日本語」が話せない(話さない)。
なので、毎回が、外国にいる様な状況なのだ。
同級生の中には、これを地獄と捉える人も多く、ボクの感覚では上級レベルまで残ったのは、1割くらいだった様な気がする。
ボクは当初の目標がハッキリしていたので、レッスンも本当に楽しめたし、やめるなんて、かけらほども思ったことはなかった。
また、自分は「研究職」と言う、孤独で狭い世界に身を置いているせいか、このスクールでの全く違う世界の人たちとの会話は(日本人も含めて)、本当に楽しく、毎回レッスンのたびにリフレッシュさせてもらった。
目標の設定と併せて、楽しむことも上達の大前提と思う。
英語は、頭よりも口で覚えよう
英語は、頭だけでは話せる様にはならない。
運動と同じで、「口のトレーニング」と考えた方が近い。
野球のスイング理論を完璧に覚えても、それだけではホームランが打てないのと同じだろう。
ボクが大学生の頃の英語の先生は、東京大学で英語系の学科を出た人だったが(学科の名称は忘れた)、留学生たちのやり取りに四苦八苦しているところを見て、考えさせられたことがある。
これが良い例だろう(お人柄が良くて大好きな先生だった。例に挙げてすいません)。
会話力アップの王道は、毎日のストレッチとかジョギングの様なものと考えた方が近い。
レッスン時に、分からない表現や単語や単語が出てきたら、その場でメモしておき、次回のレッスンまでに何度も口で言い換えを試し、次のレッスンで実際に使ってみる。これで、その表現は、血となり肉となる(少し大げさかな?)。
とにかく、頭よりも、口が覚えさせてくれる。
これ、脳科学でも実証済みなのだ。
大事なのは、間違えるのは当たり前、恥ずかしいとか思わないこと、だと思う。

必ず成長を感じられない時が来る
ホメオスタシスを知るべし
ボクの経験では、最初の1年ぐらいは、楽しみながら続けるだけで、ぐんぐん伸びる。
でも、だんだんと伸びが鈍くなって行くのだ。ボクもこれを経験し、ある時から全く伸びなくなった。
しかし、これを乗り切れないと、必ず挫折する。
ホメオスタシスは、日本語では恒常性(こうじょうせい)維持と言われ、環境が変化しても体の状態を一定に保とうとする生体の働きだ。
これが現状維持プログラムとなって、私たちの変化を拒む。
英語も同じらしく、バイリンガルまで突き抜けようと頑張れば頑張るほど、泥沼に入っていく時期が訪れる。
ボクの場合、NOVAを例に挙げれば、初級(7C)から中級(5)までの4段階は、僅か9か月しか要しなかったが、そこからレベル4には12か月、上級のレベル3にはさらに14か月もかかった。
特に、レベル5時代は、僕にとっては「暗黒時代」であり、成長が完全に止まったと思う瞬間が何度もあった。ここにきて…..
再び貝になりかかかったのだ。
どうやって乗り切るか
この暗黒時代からボクを救ってくれたのが、
「英語を楽しむこと」
…..これを思い出させてくれるクラスメートとや先生たちとの交流だった(アイキャッチ画像を参照)。
還暦を過ぎた今でも、当時の先生も含めて何人かは「親友」としてお付き合いさせてもらっている。
もう一つは、スクール以外で、英語が全く話せなかったころと全く同じ状況に身を置いてみることだ。
例えば、ボクの場合は、数度の国際学会の参加だった。
以下は、年1度恒例の「レベルアップコンテスト」で入賞(特別賞)した時のインタビュー記事である。
最後に、こう述べている。
「私がレベル5のころまで流暢に聞こえていた日本人教官たちの英語が、これが同じ人だろうかと驚くほどたどたどしいのです」
英語力の伸びは、上に行くほど自分では感じにくくなるが、話せなかったころと同じ場面に身を置いてみると、自分の伸びを体感できる様だ。
これも、行き詰まった時に、打開する方法の一つとして、機会があれば試して欲しい。
…….また長くなってしまった。
ということで、今日は終わり。
お休みなさいZZZ。
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